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明治憲法ができた時の経緯(『新版 明治天皇』里見岸雄著を読んで) [読んだ本について]

先日、とある首長さんが、建国記念の日(紀元節)の式典で、天皇制(天皇陛下?)を守るためには、憲法を守っていくことが大切だ。そのために私は力を尽くす、というようなご発言をされたという風の便りを耳にして、なんだかなぁ、、と。



この首長さんは、日本の国の成り立ちや、明治憲法がどういう意志のもとに、どういう過程をたどってできたものなのか、日本国憲法が、どういう経緯を辿って制定されるに至ったのか、について、全くご興味がなく、学ぶこともないままに今に至ってしまわれたのだなぁ、、と、悲しい気持ちになっていたのですが、



「憲法は、権力者を縛るものであるわけではなく、国の在り方を為政者や国民が確認し明確にするという考えもある」という趣旨の安倍総理の発言を、無知だ、馬鹿だ、危険だと、かなりご批判なさっていたのですが、明治憲法がどういう経緯で、どういう意志の元制定されたのか、それは、前者の西洋の思想とは異なって、西欧列強の植民地支配の足音が大きくなってきている時代に、日本を一つにして力をつけて、国を守ろう、という明治天皇や明治政府などの意志があったのだ、と国体学の権威である里見岸雄氏の著書には書いてあるのです。


まして、天皇は、西欧にみられる権力者というものではなく、すべての権力者の上に位置する権威者であり、天皇は、国民を国の宝として大切にし、神武天皇やその前の神話の時代の神様たちにも、祈りを捧げ、報告をして、国を守ってきているご存在なのだ、ということなのですね。


立憲主義とか日本国憲法とかを考えたり議論したりする際には、こういう日本固有の歴史文化伝統を斟酌することがとても必要になってくるし、いきなり西洋の憲法論だけを金科玉条のごとく、これが正しい!と前提にしてしまうのは、なんだか、とっても浅薄な気がします。


世論をリードしていくべき人が、自国の歴史にこんなに無知では、憲法論議なんて変な方向に行ってしまうではないか、と危惧します。


改憲論者も、護憲論者も、興味のない人も、もう一度日本の国のこと、歴史について学びたいものだと思います。
里見岸雄氏の『新版 明治天皇』は、明治天皇の御世のお話だけでなく、日本という国の「くにのかたち」について、ものすごくわかりやすく、うっとりするくらい綺麗な日本語で書かれてある、全日本国民の教科書だと思います。

心から、必読をお奨めいたします。



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